人形小説アンソロジー「ヒトガタリ」の紹介

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 表紙担当は西乃まりもさん。
 タイトルを考えてくれたのは杉背よいさん。
 Twitterで公開したところ、タイトルと画像が合っていると褒めてもらって嬉しかった♪
 いや、私は全く関わってない部分なのだけど……

 ここからは各作品の作者名・タイトル・あらすじと、冒頭部分(画像)です。


 杉背よい「シンギング・オブ・粉骨」
 ある日神様は無名のミュージシャン、ハスミが懸命に歌う姿に見入る。
 神様は気まぐれに人形を男の元へ使わせることにした。
 その名も藤井。姿はおっさん。
 藤井はハスミに囁いた。「この藤井と、契約してみませんか──」



 最初の一文が印象的ですよね。
 独特の浮遊感のある風景や人物の描写は、彼女にしか書けないもの。
 この方、さりげなくプロです(角川から2冊本出してます)


 柳田のり子「別世界」
 市民のほとんどが人工子宮から生まれる未来都市で
 自分の体を使って妊娠・出産することに興味を抱いたクレマチスは
 未加工の遺伝子を持つ「原生人間」の男を探し始める……



 これは私の作品で、SFです。
「設計された遺伝子を持つ人間が多数派になり、普通の人間が少数派になったら」
 という「もしも」の世界を丁寧に積み上げてみました。


 匹津なのり「繭子さんも私も」
 着付け教室で和装マネキンの性格を妄想している「ぼっち」の主人公、麦子。
 静かに傷付き続ける彼女のもとに、ビスクドールの瞳を持った不思議な女性が現れる……



「人形というものが、人間に何をしてくれるか」
 をこんなに鮮やかに描いた作品を他に知りません。
 文章もリズミカルで気持ち良くて、小説を読む楽しみに満ちたお話です。


 西乃まりも「弔う火」
 五十年に1度、作り変えられる女神像。
 その節目の巫女となるために育てられたマナは、女神を祀る神殿へと居を移した。
 そこで彫像の製作者・玉蓉と出会うのだが…。



 まりもさんの作品は展開が面白いからネタバレせずに紹介するのが難しい。
 神聖だと思っていたものが、どんどん妖艶になっていく様子にドキドキします。
 ラストシーンがこの本にすごくぴったりなんだ。

 裏表紙はこんな感じ。

posted by 柳屋文芸堂 at 01:02 | - | 更新情報をチェックする